遠く離れたベトナムの南北
南北1,650km、東西650kmと南北に縦長の国土を有するベトナム社会主義共和国は、政治と文化の中心地である首都ハノイが北部地域に、経済の中心地である大都市ホーチミンが南部地域に位置しています。その距離は直線で1,150kmにもなり、ハノイ・ノイバイ空港とホーチミン・タンソンニャット空港の移動には飛行機を利用しても2時間以上かかります。
これはつまり北部のハノイ近郊で生産するのと南部のホーチミン近郊で生産するのとでは、そのロジスティクス(物流効率)がまったく異なってくるということです。半製品あるいは完成品の仕向け地を考慮したサプライチェーン構築が必要であることは言うまでもありません。
ベトナムは日本国内のように鉄道や高速道路が網目のように整備され物流網が高度に発達しているわけではありません。ベトナム国内での貨物輸送は、都市部であれば飛行機の利用で翌日着荷も可能ですが、都市部から離れて陸路が長い地域は1日では着きません。また、飛行機以外の輸送ではハノイ-ホーチミン間だとトラック便で最短3日、鉄道貨物輸送だとそれ以上にかかってしまいます。
ベトナム国内取引の場合、サプライヤーとの製造に関するお打ち合わせに始まって、監査、調査、バリデーションなど現地工場を訪れるシチュエーションが1回では済まないことが予想されます。その際、立地の離れたサプライヤーとはコミュニケーションがとり辛いのが現状です。その点、PRONICSグループはベトナム北部地域、南部地域それぞれに拠点を有しており、いずれの地域のお客様とも密にコミュニケーションが取れる体制で運営しています。
ベトナム国内に3拠点を保有する強み
PRONICSグループでは南北に広がるベトナム国土をカバーするだけでなく、海外が仕向け地となる輸出の場合にもベトナムに3拠点を保有していることの強みが活かされます。輸出相手国はどこか?だけを勘案するのではなく、荷姿や輸出頻度、輸送期間などから最適な輸送手段について柔軟にご提案し、その商流に合わせた生産拠点をセレクトできます。
例えば、輸出が1回きりの金型や、小サイズ・小ロットの成形品などの場合は、空路輸送が想定されるため、空港からほど近いハノイ工場やホーチミン工場での生産をご提案します。一方で、大型金型や大ロットの成形品などをパレット積みでコンテナ船輸送する場合は、輸出加工区にあり港近くのホーチミン工場からの出荷にメリットがあります。また、中国南部への船便であればハイフォン港が近いハノイ工場がFast Deliveryに寄与するケースもあるでしょう。
近年サプライチェーンに組み込まれることが増えてきたカンボジアが仕向け地となる場合は、首都プノンペンから南東へ150km地点で国境を接する地域にベトナム・ロンアン省があり、PRONICS PRECISION Co.,Ltd(ロンアン工場)からの陸路輸送が可能です。あるいは広州、深センなど中国南部の工業都市へ陸路でトラック輸送するのであればハノイ工場が好立地となります。
日本国がODAでも携わっているベトナム-ラオス-タイ-ミャンマー間を陸路で繋ぐ、大横断計画「東西経済回廊」の開発が進んだことでインドシナ半島の陸路横断が可能となり、海上輸送よりも大幅に早く、航空輸送よりも安価となる東西横断輸送サービスを提供する日系物流会社も増えてきました。実質GDP成長率7%で凄まじく経済発展を遂げるベトナム地域において3拠点を保有し、刻一刻と変容するロジスティクスをリアルタイムに把握するPRONICSグループは海外調達の心強いパートナーとなるはずです。
皆さまの多様なサプライチェーンに対して柔軟な対応力をもつPRONICSグループをぜひご利用ください。